旦那様は社長 *②巻*


「ただいま」

「おかえりなさい」


いつもより早く帰宅した悠河を笑顔で出迎える。

検診結果がよっぽど気になるのか、定期検診の日はいつもこうして早く帰宅する。


おそらく、藤堂さんに無理を言っているんだろうけど……。


キスをして目が合うと、「きゃっ」また悠河にお姫様抱っこされた。

これは毎日の変わらない日課。

悠河はいつもこう言う。


『歩くな!走るな!転ぶな!』


赤ちゃんに何かあったら大変だって。

歩くなと言われても、もちろんそれが無理だってことくらい分かっていると思うけれど。


だからこうして悠河が側にいる時は、無条件で抱き上げられる。


「重いでしょ」

「いや、これで2人分とは思えない。軽すぎだ」

「心配しなくても、もう少ししたら逆に太るよきっと」

「そうでなければ困る」


フッと笑った悠河の顔に思わずキスをしてしまった。


『ごめんね……あたしのせいで美姫が……』


そんな謝罪の気持ちからの行動だった。