「うぅ……ッ」
言えない。
ぜったい悠河に言えない……。
──『明日、悠河くんも来れるかしら?』
先生ごめんなさい。
あたし、悠河を連れていけそうもありません。
今はまだ……
言えない。
だってまだ希望が持てるのなら、“もしも”のことなんて考えない。
悠河にも考えてほしくない。
「美姫……ママ信じてるよ?」
明日はちゃんと教えてね。
『ママ、ここにいるよ』って。
もう泣くのは止めよう。
あたしの思いはきっと美姫に伝わるって信じてる。
両手で涙を拭い、涙の筋がクッキリ残る頬をファンデーションで隠した。
“泣いていた”
悠河にそう悟られないように。
だって。
悠河は誰よりも敏感にあたしの異変を感じ取ってしまうから──…

