旦那様は社長 *②巻*


可愛い光姫。

そんな光姫を抱きしめるだけじゃ足りなくて、キスをしたくなった。


「約束するよ。その代わり、お前も約束してくれ」


「え……何を?」




「他の男と、二人っきりで会ったりしないって」


光姫はとても驚いた顔をして、キュッとオレの両手に指を絡めた。


「悠河、まさか……」


光姫が何を言いたいのか分かる。

話すなら、今しかないと思った。


「知ってるんだ。お前と……佐倉の関係」

「えッ!?」

「アイツだろ?お前を捨てた……元婚約者」


光姫はすぐに目を逸らし、俯いてしまった。

悲しいことを思い出させてしまったのだろうか。


光姫にとっては、もしかするととても酷なことを聞いたのかもしれない。

だけど、それでもきちんと話を聞きたかった。


安心したかった。

光姫にとって、佐倉敬吾がもう過去の存在であることを。


何もやましいことがなければ、あの日オレが目撃したことも、全て話してくれるはずだ。


光姫の顔をゆっくり持ち上げ、しっかりと見つめて言った。


「光姫、頼むから話してくれ」

「……」

「頼むから。……もうオレ、限界なんだ」


「……ッ!?悠河!?」


何も語らない光姫にどんどん不安が募って、とうとう壊れた。

ツーッと、涙が頬を伝う。




「オレは……、お前を愛していてもいいのか?」



【悠河Side End】