旦那様は社長 *②巻*


「え?」


「溺愛されているようなので、興味があります」


そう言えば、あたしのどこを好きになってくれたんだろう?


『好きだ』とか『愛してる』とか、気持ちを表す言葉はたくさんもらった。

だけど、具体的にどこが好きか……なんて、聞いたことがない。

こんなあたしの、一体どこを悠河は好きになってくれたんだろう。


頭の中で考えてみると、たった1つだけ浮かぶものがあった。

ーー『身体』


やっぱりこれが一番の理由なんじゃないかと、少し不安になってきた。

悠河はいつもあたしを抱いている時、あたしの身体を誉めちぎる。

『クセになってやめられない』と。


「知りたいですか?」


ーー…まさか悠河。

「身体です」とか言うつもりなんじゃ…!?


「はは。教えて頂けるのなら」


だったら止めなきゃ!!

悠河の身体に手を伸ばした瞬間、ぐいっと腕を引っ張られ、スッポリと広い胸におさまった。


「いなきゃ困るところです」


「え…」


今、なんて……?

すごく嬉しいことを言われたような気がする。

だけど、聞き間違いかもしれない。


自分のものか、悠河のものかも分からない速すぎる鼓動を感じながら、次はちゃんとハッキリ聞こえた。


「光姫がいないと、オレがオレでいられない……」


今までもらったことないような、最上級の告白が。