この人たち最低!!
ーーダンッダンッ
「「痛ってッ!!」」
ここがパーティー会場だとか、自分が置かれている立場とか、そんなこと全部忘れて思いっきり2人の足を踏みつけた。
「えっ、どうかしましたか?」
慌てて振り向いた一條社長に、あたしは営業スマイルでこう返した。
「いえ。これは仕事のうちです」
「え?」
「公然わいせつを未然に防ぐためです」
「おい」という悠河を無視していると、あたしたちの様子を見ていた一條社長が笑い始めた。
「はは。そういうことですか。光姫さん、ヤキモチですね?」
「えっ!?あっ…いえ……」
「旦那様が他の女性を見るのがイヤなんじゃありませんか?」
「え…っと……」
まさか自分に降りかかってくるとは思わず、恥ずかしすぎて顔を上げられない。
悠河の顔も、見れない。
さっきまでの勢いは、スッカリどこかへ飛んでいってしまった。
「美海と一緒だ」
「え?」
「美海も、同じようにヤキモチやいてくれます」

