旦那様は社長 *②巻*


この人たち最低!!


ーーダンッダンッ


「「痛ってッ!!」」


ここがパーティー会場だとか、自分が置かれている立場とか、そんなこと全部忘れて思いっきり2人の足を踏みつけた。


「えっ、どうかしましたか?」


慌てて振り向いた一條社長に、あたしは営業スマイルでこう返した。


「いえ。これは仕事のうちです」


「え?」


「公然わいせつを未然に防ぐためです」


「おい」という悠河を無視していると、あたしたちの様子を見ていた一條社長が笑い始めた。


「はは。そういうことですか。光姫さん、ヤキモチですね?」


「えっ!?あっ…いえ……」


「旦那様が他の女性を見るのがイヤなんじゃありませんか?」


「え…っと……」


まさか自分に降りかかってくるとは思わず、恥ずかしすぎて顔を上げられない。

悠河の顔も、見れない。

さっきまでの勢いは、スッカリどこかへ飛んでいってしまった。


「美海と一緒だ」


「え?」


「美海も、同じようにヤキモチやいてくれます」