旦那様は社長 *②巻*


「バカなことばっかり言うんじゃない!!」


「もう止めてよ!!怒鳴ることしかできないの!?」


悠河がこんなに怒鳴り散らす姿は初めて見る。

だけどそんな初めて、欲しくないよ…。

耳を塞いで嗚咽を漏らしながら、その場に座り込んだ。


「や…いや…もぅ…ぃや…っ…」


駄々っ子みたいに、『イヤイヤ』と繰り返すことしかできない。

こんな悠河を見るのがイヤ。

拗れてしまったままの、2人の関係がイヤ。

不安を残したまま、赤ちゃんを生むのがイヤ。


どうすればいいのか、もう分からなかった。


素直な気持ちをぶつけたのに、悠河は全て隠してしまう。

またあたしに壁を作ってしまった。


「あたしたち…もうダメなの…?」


笑って寄り添っていたあの頃には、もう戻れないの?


「悠河は…どうしたいの?あたしと…別れたいの?」


見上げた悠河の顔は、涙に滲んでもう見えない。


だから、言葉でちゃんと伝えてよ?悠河…。