旦那様は社長 *②巻*


「いい加減にしろ!今は仕事中だ。話は帰ってから聞く」


「何で…何でそんな目で見るのよ…。何かあるならハッキリ言えばいいじゃない!!」


廊下にまで響いてるんじゃないかってくらい大きな声で叫んでしまった。

あまり興奮すると身体によくないとお医者様にも言われていたのに…。

色んな感情が溢れ出して止められなくなった。


「なんで急に変わっちゃったの?」


「……」


「あたし、何かしたの?」


「……」


「黙ってないでなんとか言ったら!?」


ここが会社だとか、今は上司と部下だとか、私情を職場に持ち込んでるとか、そんなことはどうだっていい。

そうやって逃げないで?

胸のうちを全部明かしてよ…。


悲しくて、悔しくて、涙が次々とこぼれ落ちた。


「もぅ…赤ちゃん…生みたくない」


初めての出産で、頼れる両親もいない。

ずっと心の中で不安と闘っていた。

だけど、悠河がいたから…大丈夫だって思えたのに…。


またすれ違うの?