旦那様は社長 *②巻*


「え?」


「再会してからずっと敵意剥き出しだったじゃん?お前」


「そんなこと……」


あるけど。


「よっぽど旦那が大事なんだ?」


「……当たり前じゃん。悠河はあたしに、人を愛する気持ちを思い出させてくれたんだから」


敬吾と別れて、適当な付き合いばかりを繰り返していたあたしを変えてくれた。


心からあたしを愛してくれて、また男の人を信じてみようって思わせてくれたのは……悠河だから。


「ごめんな」


「何が?」


「あの時……急にいなくなって」


料理につけていた手を止めて急に真面目な顔になった敬吾を見て、あたしも掴んだ食器をゆっくり置いた。


ーーー…大丈夫。


何を聞いても、もうあたしには悠河とこの子がいるから。