旦那様は社長 *②巻*


今のこの状況を誰かに見られでもしたらーー…


あたしだけがあたふたしていて、社長はいつものように平然と仕事をしている。


仕事をーーー……


「……って、あたしも仕事が!!」


その時、タイミングよくドアのノック音が響く。


ーーコンコン


あたしが慌てて立ち上がろうとすると、社長に腕をグッと掴まれ、それを阻止されてしまった。


「しゃ、社長っ!?」


コソッと社長の耳元で囁くと。


「入れ」


「えっ!?」


…ーーこの状況で?!


社長が顔色1つ変えることなく、ノックした主に入室を許可する。


ーーガチャ


社長室の重い扉が開かれ、中に入ってきた男性を見てあたしはハッとした。

長身に、まるでモデルのようにスレンダーな体と、少し日焼けした整った顔。


コツコツと靴音を響かせながら、ゆっくりこちらへ近づいてくる。


……誰?


今日は来客の予定はないはずだけどーーー……


隣の社長に視線を移すと、なぜか微笑を浮かべていて……彼が誰だか知っているようだった。


「早かったな。まぁ、昔からお前は約束の15分前集合が当たり前だったもんな?」