「女だったら……光姫に似てほしいな、オレ」
「なんで?パパに似た方がキレイになるって言うのに?」
ーートントン♪
温めたフライパンにベーコンをのせて、卵を2つ落とした。
少し火を強めて蓋をし、社長の方へ体を向き直す。
「ねぇ、なんで?」
「光姫に似たら……確実に胸がでかくなるだろ」
「はっ?!」
……真面目に聞いたあたしがバカだったみたい。
「胸はないより、少しはあった方が娘のためだって」
「まだ娘って決まったわけじゃないし」
あたしはお腹に手を当てて願う。
“お願い!!あなたは男の子でいて”
「男だったら……オレに似た方が将来のためだな?」
「なんでよ」
嫌な予感がしながらも、一応聞いてみる。
その瞬間、社長がニヤリと妖しく(イヤらしく)笑った。

