このまま元の2人に戻れるかな。
そんなことを思っていると。
「……何やってんの?」
「んー?ちょっと気になって」
さっきまで腰にあったはずの社長の手が、いつの間にかあたしの胸の膨らみに。
ニヤニヤ笑いながら、一生懸命その手をイヤらしく動かしていた。
「……っ、そんなとこまで元に戻らんでいい!」
体をわなわなと震わせながら、あたしは叫ぶ。
「なんだよ?戻るって」
あたしが頭で考えていたことなんて知る由もない社長は、訳が分からないというような顔をしながらもーーー……
「い、いつまで揉んでんのよぉぉぉっ!!」
休むことなく手を動かし続けていた。
でも次の瞬間ーー…
「バシンッ」という大きな音と共に、あたしの平手打ちが社長の頬を直撃する。
「ってぇー…」
左頬を抑えて痛がる社長にあたしは……
「謝んないわよ、このスケベッッ」
ジンジンと痛む右手を隠しながら、思いっきり社長を睨みつけた。
…ーー殴る方だって痛いんですからね?!

