気がついた時には、あたしの体は勝手に動いていて。
小さな社長をギュッと抱きしめていた。
いつもあんなに偉そうで、あんなに大きく見えていた社長が……
今はこんなにも小さい。
……そうさせていたのは、紛れもなくあたしだ。
いつもみたいに暴走しすぎるのも困るけど……でもあたしはきっと、あの強引な社長も……今みたいに小さくて弱い社長も……全部ひっくるめて大好きなんだよ。
よかった……ちゃんと気づけて。
「なぁ、光姫……」
「ん?」
相変わらず弱い声で、囁くようにポツリと呟いた社長。
「お前……今でもオレを好きか?」
「へっ?」
突然の思いもよらない質問に、あたしの声は少し裏返る。
「……愛してるか?」
あ、あ、あ、愛!?
いつものように茶化すわけじゃなく、こんなに真剣に愛を確認されたのは初めてで。
「……っ……」
どう答えればいいのか戸惑う。
でも、今あたしを抱きしめている社長に、そんなあたしの様子なんて分かるはずもなくーー…
「やっぱり……そうじゃないかと思ったよ」
ゆっくりとあたしから体を離しながら、社長は続けた。

