旦那様は社長 *②巻*


気がついた時には、あたしの体は勝手に動いていて。


小さな社長をギュッと抱きしめていた。


いつもあんなに偉そうで、あんなに大きく見えていた社長が……


今はこんなにも小さい。


……そうさせていたのは、紛れもなくあたしだ。


いつもみたいに暴走しすぎるのも困るけど……でもあたしはきっと、あの強引な社長も……今みたいに小さくて弱い社長も……全部ひっくるめて大好きなんだよ。


よかった……ちゃんと気づけて。


「なぁ、光姫……」


「ん?」


相変わらず弱い声で、囁くようにポツリと呟いた社長。


「お前……今でもオレを好きか?」


「へっ?」


突然の思いもよらない質問に、あたしの声は少し裏返る。


「……愛してるか?」


あ、あ、あ、愛!?


いつものように茶化すわけじゃなく、こんなに真剣に愛を確認されたのは初めてで。


「……っ……」


どう答えればいいのか戸惑う。


でも、今あたしを抱きしめている社長に、そんなあたしの様子なんて分かるはずもなくーー…


「やっぱり……そうじゃないかと思ったよ」


ゆっくりとあたしから体を離しながら、社長は続けた。