旦那様は社長 *②巻*



「光姫?」


「あっ、ごめんなさい」


……しまった。

社長は何も事情を知らないのに……変に思ったかなーー。


「…何かあったのか?」


「ううん。何でもないよ?もうすぐご飯できるから…座ってて?」


「……ああ」


少し気まずそうに食卓につく社長の姿に、少し罪悪感を覚えた。


でも…ハッキリするまではーーー……


「………」


いつもなら自然と会話が飛び交う食卓に、今日はカチャカチャと食器の音が響くだけ。


「…ごちそうさま」


あたしより早く食事を終えた社長は、まるでこの場から逃げるようにリビングを出て行ってしまった。


「…やっぱり…変に思ったかな…」


最近は、体調が悪いことを理由に、夜の誘いを断ったりしているあたし。


……確かに体調はあんまりよくならないんだけど。


社長と結婚して、こんなに触れ合わない夜が続くなんて……
ハッキリ言って異常だと思う。


すぐあたしに触れたがる社長が、大人しくあたしの言うことを聞いてくれているのは……間違いなく、あたしの体を気遣ってのこと。


……それも分かってる。