“心当たりーー…”
真っ直ぐあたしを見つめる先生の目には、何もかも全てお見通しなんだね…。
「光姫ちゃん、もしかして……」
それ以上、先生は何も言わなかった。
でも先生が言おうとしたこと、あたし分かるよ。
「妊娠…してるのか…ってことですよね?」
「じゃあーー……」
「……分かりません」
「え?」
「分からないんです。
……確かに妊娠初期のような症状があるんですけど……ちゃんと調べてないから…分かりません」
先生の目を見ることができずに、あたしは俯いたまま答える。
……なんとなく、そうかもしれないって思ってた。
ただーーー……
あたしは今それを望んでいない……
だから、病院に行って答えを知るのが怖くて……
この数日間、あたしは1人で悩むことしかできなかった。
もしも本当に妊娠していたら……?
あたしは今、ちゃんと母親の役目を果たすことができるの……?
……愛情を持って、ちゃんと育てられるの?

