旦那様は社長 *②巻*



“心当たりーー…”


真っ直ぐあたしを見つめる先生の目には、何もかも全てお見通しなんだね…。


「光姫ちゃん、もしかして……」


それ以上、先生は何も言わなかった。


でも先生が言おうとしたこと、あたし分かるよ。


「妊娠…してるのか…ってことですよね?」


「じゃあーー……」


「……分かりません」


「え?」


「分からないんです。
……確かに妊娠初期のような症状があるんですけど……ちゃんと調べてないから…分かりません」


先生の目を見ることができずに、あたしは俯いたまま答える。


……なんとなく、そうかもしれないって思ってた。


ただーーー……


あたしは今それを望んでいない……
だから、病院に行って答えを知るのが怖くて……

この数日間、あたしは1人で悩むことしかできなかった。


もしも本当に妊娠していたら……?


あたしは今、ちゃんと母親の役目を果たすことができるの……?


……愛情を持って、ちゃんと育てられるの?