先生とあたし(仮)


あたしもうかうかしていられない。


「とりあえず赤点は取らない方がいいよね」

「そこは最低ラインだからね。
またヤマはり手伝うから」

「百合様、ありがとー!!」


いつもは小言が多いお局様みたいに見えても、テスト期間中は百合がここぞとばかりに女神様のように見えるのはあたしだけなんだろうか。


中間テストの英語の点数は赤点ぎりぎりの35点だった。


高校一年の時からの計6回のテスト結果の三位タイ記録って感じ。



ちなみに英語の最低点数は一年二学期中間テストの28点。


百合に日頃から授業を聞かないからこうなるんでしょ、って注意されたっけなあ。



まあそれを聞かなかったから今もこんなに焦っているんだけど。




とりあえず百合様にここは絶対に重要という場所を教えてもらって重点的に勉強する。





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「悠、帰ろー」


英語の勉強のし過ぎでノックアウト寸前だった頭を現実に引き戻す声がする。



「お迎えが来たわよ、ハル」

「うん…」


英語をちゃんと勉強した後はいつもなんだか頭がズキズキするような気がする。


たぶんただの思い込みなんだろうけど。



「じゃーねー」


帰りの準備をノロノロした後、三人にさよならのあいさつをしてから教室の入口に立ってる景斗の元へ足を向ける。


あー、脳が疲れてるよ。


これはキャラメルミルクティーチョコが必要だな。