「なんでもないです、あたしの勘違いでした」
棒読みでそっぽを向きながらあたしは言う。
「…とりあえず、このクラスで課題を提出していないのはお前だけだ。
今日中に指定した範囲とこのプリントやれ」
そう言って差し出されたプリントは5枚はある。
英語が特別に苦手なあたしには拷問そのもの。
「ふざけ…」
「んじゃ、そういうことで」
あたしが言い終わらないうちにそう言うと、にっこりとした笑みを残してあたしたちの班から離れていった。
「…鬼」
プリントを見つめて一言漏らす。
「どんまい」
一番近くにいた祐輔が同情のこもった声であたしを慰めるように肩をポンと叩いた。
