差してきた傘をコンビニの外の傘立てに置いてコンビニの扉を開く。
ピンポーン、と入店を知らせるチャイムが店内に鳴り響いていらっしゃいませーと店員の声が聞こえた。
お昼は何にしよう。
お弁当のコーナーに行くと、目に入ったのはオムライス。
これでいいか。
一緒にミルクティーと好きなチョコのお菓子を手に取り、レジに並ぶ。
「温めますか?」
「お願いします」
「965円になります」
1000円を差し出して、温まったお弁当とお釣りを受け取る。
「ありがとうございましたー」
お弁当が冷めないうちに帰らなきゃ。
傘を手にとって、マンションへの道を再び歩き始める。
ブーブーと携帯が震えたので、携帯を取り出すと景斗からだった。
今日はテスト勉強するから飯はひとりで作れよ、か。
明日の教科は古典と数学と生物。
景斗は古典が苦手だったっけ。
最近は簡単なものならカレー以外も作れるようになったし、夕飯は適当に作って食べよう。
コンビニとあたしの住むマンションはすぐ近くだから、ほんの数分でエントランスに到着した。
オートロックを解除してエレベーターで上がる。
明日の教科は教科書問題を軽く解くくらいでいいかな、なんてぼんやりとした頭の中で考える。
…まずい、あたし結構睡眠不足みたいだ。
部屋の鍵を開けてベッドに横たわると、お弁当も食べないまま眠ってしまった。
