先生とあたし(仮)


試験終了のチャイムが鳴る。


全身の力が抜けて、あたしの上半身は机の上にベッタリ倒れた。


やっと終わった……。


あたしの頭痛の種で、毎回の山場である英語のテストが終了した。




「じゃあ一番後ろからテスト用紙を集めてこーい」


教壇の前で、たった今まで居眠りをこいてた数学のはげ教師が声を出す。



「篠塚、名前忘れてる」

あたしのテスト用紙の名前の書き忘れに気づいたクラスの男子が一度回収しようとした手を止めて、あたしにテスト用紙を戻す。


「あ、ごめん」

危ない、名前なしで0点になるところだった。


篠塚悠、としっかり名前を書くとそれを提出した。


ただでさえ点数が取れないのに、こんなことで0点を取ってしまったら夏休み前の成績表が悲惨なことこの上ない。



はげ教師が教室を出て行くのと入れ替わりで、慎ちゃんがクラスに入ってきてそのままHRが始まった。



今日は中間テスト6教科のうちの半分の3教科が行なわれて、午前中で授業は終わる。


午後は明日の勉強をしなさいってことなんだろうけど。


明日の残りの教科はその中に英語がないってだけで、あたしにとっては気が楽なわけでして。



…とりあえず、家に帰ったら少し寝ないと。



今日の英語に備えてあたしは明け方まで英語を勉強したおしてきた。


そのせいで寝不足なんだ。


「きりーつ」


日直が号令をかける声で、あたしは慌ててあくびをこらえて立ち上がる。


「さようなら」


みんなで号令をかけると、クラスはガヤガヤしだした。