「ただいま~…って言っても誰もいないけど」
玄関で靴を脱いで学校帰りに寄ったコンビニで買ったものをテーブルの上にバラまく。
部屋にはまだダンボールが積み重ねてあって、片付けをするにはまだまだ時間がかかりそうだ。
「あー…片付けとかすごい苦手なんだけど」
ボフンとベッドに横たわると今日のことが思い出される。
槻嶋 脩平――――。
~っ!!むかつく!!
なんであたしがあんなやつにバカにされなきゃいけないわけ?
家に帰ってきてまでやつのことを考えるなんて。
もうやめやめっ!!
あたしはベッドから起き上がると一回大きく伸びをした。
「さて、荷物の整理でもしようかな」
あたしが一人暮らしをしているのにはまあ、訳がある。
今年の春からお父さんがニューヨークに転勤になった。
お父さんが大好きなお母さんはもちろんついて行った。
あたしもついてこいとは言われていたんだけど破滅的にできない英語力のせいで断念。
そういう訳で一人暮らしをすることとなった。