先生とあたし(仮)


気を取り直して……


教科書を開いて、百合についこの間教えてもらったヤマの場所をチェックする。



頭の中に詰め込むように、口には出さないように繰り返し暗唱。



He think that he is great teacher.

彼は自分をすばらしい教師だと思っている。


He thinks that he is great teacher.

彼は自分をすばらしい教師だと思っている。




…なんか暗唱すれば暗唱するほど、あの憎たらしい槻嶋の顔が思い浮かぶ。


あのいつも人を見下したような目。

絶対にすばらしい教師とかだけじゃなくて、自分のことをいい男だと思ってるよね…。



ていうか、なんであいつが出てくるの!?

今はテスト勉強に集中でしょうが!!


元はと言えばこの教科書がこんな文章を載せたせいで…!!


あたしは教科書をバシバシ叩いてやった。



「うわ…なんか壊れちゃってるし」

「大丈夫かなー?」

「重症ね…」


あたしのすぐ側でこんな会話がされていたことにも、あたしは気づいていなかった。