「寝かせておくかー」
音を立てないようにぐっすり眠る景斗から離れて、ベッドのすぐそばにあるテーブルの上にとりあえず持ってきたノートと教科書を広げる。
景斗に英語教えてもらおうと思ってたんだけどな。
英語の教科書をパラパラ捲ってみるものの、当然まったくわからない。
しょうがない、違う教科をやってみよう。
カバンから世界史の教科書を出して紅茶を飲みながらテスト範囲を読み返す。
歴史系は結構好きで、授業も他の授業よりまじめに聞いてるから教科書の中身はほぼ覚えてしまっている。
テストでもほぼ毎回100点取ってるし。
「んー…退屈」
勉強を始めてからまだ10分と経ってないのに、集中力が切れてしまった。
「景斗くーん…」
寝かせておいてやろうとは思っていても、ここまで退屈だとさすがに少しかまってほしくなる。
「つまらない…」
布団の上から景斗の体を突っつく。
「景斗のケーキも食べちゃうよー…」
でも食べたら食べたで景斗もここのケーキ好きだし、怒るんだろうな。
