あたしは小さく安堵のため息をついた。
景斗のおかげで助かった。
いくらなんでも隣りに槻嶋が住んでる今の状態で、百合達をあたしの家に呼ぶなんて無謀なことできない。
3人が言いふらすなんてこと思ってないけど、念のために、ね。
あとでお礼言わなきゃ。
「もーうらやましいよー」
「あんなイケメンと週末を過ごすなんて!」
瀬南と有美が口を尖らせてうらやましそうにあたしを見る。
確かにイケメン好きの彼女たちからしたら景斗なんていい獲物なんだろうな。
「景斗くんの家に行ってあーんなことやこーんなことできるなら、もう死ねる!!」
「あんなことやこんなことって……」
あたしは思わず苦笑い。
おいおい、何考えてんだお前さんたち。
だけど変態景斗のことなので、そんなことがないとは言い切れない。
「じゃあハルの家はまた今度ね」
百合の言葉を最後にあたしたちは机を片付け始めた。
