景斗に今までのことを話してから数日が経って、カレンダーは6月を指していた。
あれからというもの、景斗は今まで以上にあたしの家にやって来るようになっている。
その心配も虚しくあたしと槻嶋は接触してないんだけど。
あの日の翌日も何か言われるんじゃないかと身構えてたけど、何も言われなかった。
……こんなこと考えるなんて自意識過剰だよね。
とにかく係の仕事も百合がいるから2人っきりになんてならないし、あれからは何もない。
「ねー、これはー?」
「あんたね、少しは自分で考えたらどうなの?」
百合が後ろを向いて呆れた顔であたしを見る。
あたしの目の前には英語のプリント。
「だって考えてもわかんないんだもん!!」
何せ毎回テストでは赤点のボーダーラインを行き来してるあたしだからね。
こんなこと偉そうに言えることじゃないんだけど。
「教科書のここ!よく読みなさい!」
あたしは違うことに今必死なんだから、と言うと百合は前を向いてしまった。