「じゃ、どんどん俺色に染まってくな」
口の端を上げてあたしを射るように見る。
少し妖艶なその姿に心臓がちょっとドキドキした。
「…その言い方、なんかいやらしい」
景斗の方をそれ以上見ていられなくなってカレーに目線を落として食べるのを再開する。
「今変なこと想像したろ?
いやらしいのは悠の方じゃん」
顔を上げなくても今の景斗の表情が手に取るようにわかる。
絶対にあたしの方を見てニヤニヤしてるんだ。
「バカ、変態に言われたくない!
早く食べないと片付けちゃうから」
「ごめんごめん。また作ってよ」
ね、と言う景斗に心臓がポカポカ暖かくなってくる気がして気持ちよかった。
――――
――
洗い物をしてから部屋に戻ると景斗があたしのベッドで寝ていた。
疲れてるんだもん、しょうがない。
早く自分で何もかもできるようにならないと。
溜まっていた洗濯物を洗濯機に入れて、部屋を少し片付ける。
洗濯と片付けは一人暮らしを始めてからというもの、だいぶ自分でもやるようになってきた。
ま、当たり前のことなんだけど。
