「どこ触ってんのよ、エロ教師!!」

バチンという音と共に槻嶋の手が離れていく。


「痛てーなー」


手を痛そうに振りながらあたしをギロリと睨んでくる。


睨みたいのはこっちの方だ。


この前のキスといい、今回のことといい…。


この教師ありえない!!!


「胸のつもりだったけど…お前凹凸なさすぎ」


シラーっと答える槻嶋はつまらなそうな顔をしていて。


「通りで色気もねーわけだ」



……。


「うるさい!!」


どうせBカップですよ!!

胸小さいですよー!!



「もう用ないんでしょ!?あたし帰るから」


デスクのすぐそばに置いた荷物に右手を伸ばす。


「そんなに早く帰らなくてもいいだろ」


そんな言葉と一緒に槻嶋は左手であたしの右腕をつかむ。



「はあ!?…ちょっと、やめてよ」


空いた左手で突き飛ばそうとするけど、その腕もつかまれる。


しまった…!!


「なになにー怖がってんの?」


槻嶋のニヤニヤ笑いがあたしの体をデスクに向かって押し付けるように誘導する。


逃げなきゃまずいってわかってるのに、男の人の力に敵うはずもなく。


顔がどんどん引きつっていく。


「そういう顔、男にとっては逆効果って覚えておいたほうがいいよ」


そういうと唇をペロリと舐めて顔を近づけてきた。

槻嶋の目に映るあたしがどんどん大きくなる。


もうダメだ…!!


あたしは唇を堅く結ぶと目をギュッとつぶった。