「あーもう最悪。
新学期早々ついてないことばっか」


槻嶋は副担だし、隣りの部屋に住んでるし、おまけに英語係とまできた。

ってか全部槻嶋関係だし。


「あたし何か悪いことしましたかー、神様ー」


目の前で絶望の淵に立たされたようなあたしの顔に3人は呆れ顔になる。


「ハルって時々変だよね」

「ていうか、ただのアホなんじゃない?」

「きれいな顔なのにもったいないよねー」


アホでもアフロでも何でもいいけど。

誰か槻嶋をどうにかしてよー!!



「悠ー」

聞き覚えのある声に顔を上げると、教室の入口に景斗が立っていた。

教室の女子の声が色めき立つ。



「ああ。どしたの?」

「どしたのって…、まあいいや。
今日放課後用事ある?」


あたしの所までやってきて軽く3人に会釈する。
瀬南と有美が騒ぎ出した。


まあ、そんな声は無視するとして。


「特に何もないけど?」

「じゃあ一緒に帰ろ。
夕飯の材料も買わないと行けないし」

「そっか。わかったー」

「ん。じゃ放課後な」

あたしの頭を軽くポンと叩くと教室を出ていった。



「やっぱかっこいいわ、景斗くん!!」

「あたしも頭ポンってされたいー!!」


騒ぐ瀬南と有美を横目にあたしと百合は苦笑い。