「私は“安西 真由(あんざいまゆ)“
君哉とは幼なじみ、コイツらとは中学が一緒なんだ♪よろしくねッ!!」
真由はニッコリしながら言った。勇太と男はため息をついた。


「俺は“麻生 臣哉(あそう おみや)“ よろしく」
臣哉も少し笑いかけながら言った。菜美はどこか君哉に似ているような気がして思わず2人を見比べてしまった。


「あっ…えっと、私は神谷 瞳って言います。よろしくお願いします。」
瞳は丁寧に頭を下げた。


「そんな頭なんて下げなくて良いってば♪」
真由は瞳の肩をつかんで起こさせながら言った。そして、菜美のほうを向いて“あなたわ?“と首を傾げた。


そのしぐさに菜美はまたドキッとして、顔を下に向けた。


《この人……可愛いなぁ…》


「わ…わたしは“望月 菜美“って言います……」
菜美がそう言って、顔を上げると真由がジッとこっちを見つめていた。

「えっ……えっと…その…」


「あっ、ごめんごめん!! 可愛いなぁと思ってさ。見とれちゃったよ、アハ♪」
菜美がどぎまぎすると、真由が慌てて言った。


「あっ…そういえば君哉、あとでとってもとっても良いことあるよ♪瞳ちゃんたちごめんねッ……本当はもう1人いるんだけど今どっか行っちゃって……」



『いるよ』


その声は…誰よりも……君哉の心を震わせた。


『やっと……見つけた…


臣哉を見た君哉の驚いた顔よりも、真由がとても可愛いくて幼なじみであることよりも、この時の君哉自体が… 菜美を不安にさせた。


『会いたかったよ、君哉クン…』