フッと光りの壁が消え、周りはまた薄暗くなった。 人魚と男性の霊はゆっくりと、お互いの感触を確かめるようにして抱き合った。 君哉と菜美も立ち上がり、その光景を見ていた。 しばらくすると2人は離れ、君哉と菜美のほうを見た。そして、男性の霊が君哉に話しかけてきた。 「ちょっと…良いかな?」 君哉が頷くと男性の霊はニッコリ笑って、君哉を、菜美と人魚に会話が聞こえないところまで誘導した。