女子は一回戦敗退。

ダブルスコアに近い点差をつけられたけれど、実力を出し切ったと言える試合だった。

試合後は皆泣いていたけれど、晴れやかな顔をしていた。


男子は三回戦で敗れた。

これで勝てば県大会出場だと、コートに立つプレイヤーたちの気持ちも最高に昂ぶっていたし、応援も今までにないほど熱が入っていた。

それでも、負けてしまった。

タオルで顔を隠しながら泣く男子部員たちを見て、女子もまたもらい泣きしていた。

それを見ていたら、私も涙ぐんでしまった。


最後まで諦めずに走りつづけた舞の姿。

裏返るほど大きな声を出して応援をしていた他の部員。

ユニフォームから出た肩は細いけれど、頼りなくなどなかった。


薄くんは、先日急遽スタメンに加えられたとは思えないほどチームに馴染んでいた。

桜井くんの荒々しく獰猛にも思えるプレイを、須賀くんのしなやかさが中和して、ふたりは対をなしているように見えた。

途中から試合に出た岡田くんからは、勝利への熱意がちゃんと伝わってきた。

ベンチで指示を出す稲垣くんは、熱くなりすぎて松葉杖なしで立ちあがって叫んでいた。


そのすべてを、しっかりと目に焼き付けた。