夢みる蝶は遊飛する


「こんなのいつ書いてたの?」

「部活中に書いてる時もあったし、メモだけしておいて家でまとめたりとか」

「もちろん女子の方もだよね?」


頷くと、桜井くんはため息をついた。

女子の分は、さらに書いている内容が多い。


「あー・・・・できれば俺たち専属のマネージャーになってほしかったな・・・・」


そう言って彼は壁に背をもたれかけさせながらしゃがみこんだ。


「本当、もったいない。いや、俺が無理言ってこっちのサポートまでしてもらってるのはわかってるけど、でも」


前髪を手でかき混ぜながら呻く。


「亜美ちゃんの本当の価値に気づくのが遅すぎたな」

「本当の価値?」


昨日あれだけ私が考えた私自身の価値について、彼もなにか思っているらしい。