夢みる蝶は遊飛する


一週間はあっという間だった。

今週末はついに大会だ。

これで、すべてが終わる。

私の永い夢が。


目前に迫った大会は部員全員の士気を高めていて、新入部員たちに力強い背中を見せている。

女子は10人、男子は15人と例年よりも多い数に、誰もが嬉しそうな顔をしていた。

あいにくマネージャーとしての入部希望者はいなかったけれど、そもそもそれがこの学校のバスケ部だ。

私の存在が珍しかっただけで。


けれど、部員たちについて記してあるノートを引き継ぐ相手がいないのは、少し寂しかった。

これが、ここでの私のすべてだから。



結果はどうあれ、全員が納得できる最後を迎えたい。


そのためのサポートに尽力していた私は、忘れかけていたのだ。

自分も通った道だというのに。

気合を入れすぎて、それが空回りした瞬間、なにが起こるのかということを。