翌日学校に行くと、連日遅刻ぎりぎりで登校してくる須賀くんが、すでに席に着いていた。
珍しいこともあるものだと、失礼なことを考えながらその隣の自分の席に鞄を置く。
「おはよう」
右隣に、そう声をかけた。
「おはよー」
彼は手にした雑誌から目を離さずに、間延びした口調で返してきた。
そのままそこで終わりかと思いきや、彼はいきなりすごい勢いで体ごとこちらを向いた。
そして早口でまくし立てた。
「高橋さんってさ、皇ヶ丘学園だったんだよね?」
「・・・うん」
「で、中学のときにバスケ部だったんだよね?」
「・・・・・・うん」
彼は、昨日廊下で私と柏木さんが話していた内容をやはり聞いていたらしい。
合点がいった、という顔で彼は頷く。
「ってことはその代ってさ、もしかして『紅の魔女』じゃない? 俺、家に帰ってからなんかひっかかるんだよなーってずっと考えてて、さっき思い出したんだけどさ」
心臓が、大きく動悸した後、止まったかと思った。
彼の言葉は、それほどの衝撃を私にもたらした。
必死に心を落ち着けながら、適した言い訳はないかと考えを巡らせる。
そして、それが無駄な悪あがきだとすぐに悟り、私は頷いた。
「よく知ってるね。そう、『紅の魔女』だよ」
笑顔の下に自嘲を込めて、私は肯定した。
珍しいこともあるものだと、失礼なことを考えながらその隣の自分の席に鞄を置く。
「おはよう」
右隣に、そう声をかけた。
「おはよー」
彼は手にした雑誌から目を離さずに、間延びした口調で返してきた。
そのままそこで終わりかと思いきや、彼はいきなりすごい勢いで体ごとこちらを向いた。
そして早口でまくし立てた。
「高橋さんってさ、皇ヶ丘学園だったんだよね?」
「・・・うん」
「で、中学のときにバスケ部だったんだよね?」
「・・・・・・うん」
彼は、昨日廊下で私と柏木さんが話していた内容をやはり聞いていたらしい。
合点がいった、という顔で彼は頷く。
「ってことはその代ってさ、もしかして『紅の魔女』じゃない? 俺、家に帰ってからなんかひっかかるんだよなーってずっと考えてて、さっき思い出したんだけどさ」
心臓が、大きく動悸した後、止まったかと思った。
彼の言葉は、それほどの衝撃を私にもたらした。
必死に心を落ち着けながら、適した言い訳はないかと考えを巡らせる。
そして、それが無駄な悪あがきだとすぐに悟り、私は頷いた。
「よく知ってるね。そう、『紅の魔女』だよ」
笑顔の下に自嘲を込めて、私は肯定した。