「俺と、あいつの夢を」 瞳をわずかにうるませて。 「俺はそいつが嫌いなんですよ」 嘲笑をこめた言葉を私に投げつけて、それなのに彼の方が苦しそうな顔をしている。 「だから、皇ヶ丘学園も嫌いで」 俯く私に向けられる、複雑な想い。 「そこに通ってバスケをしてた先輩も嫌いなんですよ」 空気が、震える。 私が不規則に吐き出す、二酸化炭素によって。