それは、明らかな嘲りに満ちた言葉。
そして、私の過去を知らない人間からは、出るはずのない言葉。
「どうして、そんなことを知ってるの・・・・?」
沈黙の後に私が絞り出したのは、か細く頼りない声。
ゆっくりと振り向いた私の瞳に、彼の姿が映る。
「どうしてって、そんなの決まってるじゃないですか」
人は、こんなにも憎しみのこもった笑い方ができるのか。
「先輩のことが、大嫌いだからですよ」
彼の瞳は、言葉以上に雄弁に、その感情を表していた。
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