「良かったです。こんなしっかりしたマネージャーさんがいてくれて。
舞は少し強引なところがあるから、みんなとぶつかってばかりなんじゃないかと心配だったんです」


その言葉に首を振りながらも、たしかに舞が若干強引であるというのは否めない、と心の中で思った。



けれどあの時。

舞が私をマネージャーにと誘ってくれていなかったら。

桜井くんが私とテストの結果で賭けをしようと言い出していなかったら。

私が、賭けに勝ったのにマネージャーをやると決めていなかったら。

私は今ここに、こうして存在していることはなかっただろう。



もしかしたら、皇ヶ丘学園を去ったときに、バスケと関わることさえ嫌になってしまっていたかもしれないのに。

どんなに勧誘されても、もうバスケなどどうでもいい、と突っぱねることだってできたはずなのに。



こうしてたくさんの仲間と、自分の居場所を手に入れることができたのだ。

たとえ、プレイヤーとしてではなくても。


バスケをしている私を誇りに思ってくれていた両親。

その両親が、今でも誇れる私でいたいから。