けれど私は、意識せずともそれができてしまう。
そうしなければならない状況があったから。
感情と感覚を切り離さなければ、やってはいけなかった。
いちいち傷ついていたら、生きてはいけなかった。
辛すぎて、現実を受け入れていけなかった。
心というものの、幼く素直な部分を切り取って滲み出る鮮血を無理矢理止めて、残った欠片を拾い集めて固めたいびつな塊を、自分の心だと言い張り続けている。
いつまでもつだろうか。
今すぐに粉々に砕け散ってほしいとも、このまま永久に形を留めていてほしいとも思う。
孤独がはじまった、幼いあの日からずっと、正気と狂気の間で私は目を閉じて泣いていた。
「模範回答ですか。でも、誤答するよりはいいと思います」
いつもの通り、完璧な笑顔。
嘘と偽りだらけの私。
傷だらけの身体を、虚構の鎧で覆い隠して、ひとりで彷徨っている。
愛されたいと願いながら。
「きみは、そうやって生きてきたのか?」
真剣な眼差しと声だった。


