「ほんと? パーティー!?」


沙世の瞳が輝いている。

またもや興奮してサンドイッチを握りしめてしまって、トマトの汁が机に垂れていた。

この状態の沙世になにを言っても無駄だと思い、私は無言でポケットティッシュを取り出し机を拭いた。


「マジだって。だから、な? 頑張れよ」


ヒロくんは慈しむような柔らかい表情で、沙世の頭を軽く撫でた。

それを振り払いながらも、沙世の頬はほんのり色づいていた。



「っていうことで決定だから! もちろん亜美ちゃんも参加でーす」

「え?」


まさか自分も誘われるとは思わなくて、驚いた。

いいのだろうか、私がいても。



「あ、でも亜美、クリスマスは家族と過ごす派?」


その沙世の言葉に、首を横に振った。

たぶん、私の家ではなにもしないだろう。

あの祖父が、飾り付けられたツリーを背に、ケーキやチキンを頬張る姿が想像できない。


「じゃ、24日は須賀家集合で決まりな!」


麗しい笑顔を撒き散らすヒロくんに、須賀くんはもう何も言えない様子だった。