夕食を終えて自室に戻り、保護者向けのプリントがあったことを思い出し、鞄の中を探る。
ファイルに挟まれたそれを抜き取り、階下にいる祖母に見せようと立ち上がったところだった。
鞄の中に、携帯電話の青色の点滅が見えた。
メールの受信は、ピンク色に光るように設定してある。
見慣れない青色の点滅は、着信があったことを意味している。
携帯を取り出し、開いてみた。
『不在着信 1件』と表示が出ている。
その表示を押すと、着信履歴画面に切り替わった。
11/20 20:06
非通知
「非通知・・・?」
ほんの数分前に、着信があったらしい。
メール以外の機能をあまり使わない私には、電話もほとんどかかってこない。
不思議に思ったけれど、緊急の用ならばまた掛け直してくるだろう。
そう思った私は、サイレントモードを解除した携帯をポケットに入れ、祖母に渡すプリントを持って部屋を出た。
携帯を閉じたときの、カチッという音が、やけに耳に残った。


