萌黄は少し眉をあげ、柳に視線を向けた。
「何だ?」
「っと待ってや!オレ腹減ったし、食堂行って話そうや、な?」
長い話になりそうな二人の会話に割って入った朽葉の訴え…提案により、四人は食堂へ向かった。

その話というのは…



一週間前の月曜日から五人もの行方不明者が出たという。

一人目は、忘れ物を取りに行くと言い残し行方知らずとなった、一年の相馬 由希【そうま ゆき】。

二人目は、遅くまで部活動をしていて、警備員に帰るよう言われたのを最後にいなくなった、二年生の高瀬 奏【たかせ かな】。

三人目も、二人目同様に部活動後行方不明となった、二年生の甲斐 律乃【かい りつの】。

四人目は仲間うちで交わされたバツゲームをやるため、夜の学校へ行ったきり姿を消した一年生、嵯峨 涼【さが りょう】。

五人目は、友人に呼ばれて学校へ行くと言い残しいなくなった三年生の金城 輝雅【かねしろ こうが】。

この五人が現在の行方不明者だった………


「…ってことなんだ。ちゃんと調べた結果、五人とも本当に行方不明だったよ。んで、興味深い点が……」
「五人とも学校が関連しているということだな…」
「ぅうん。因みに五人目の金城 輝雅を呼んだ友人は待ち合わせの時間に着いたときにはもういなかったってさっ」
萌黄に関連性をあてられ、少しむすっとしてこたえる。
当の本人は眼鏡を押し上げ、瞳を柳に向けた。