―1つの…禍が…
…終わった…―
「約束したからな」
空に雲がかかり
暗くなった昼休み
萌黄は桜の木のもとで
眼鏡を外し、
少女と話していた。
―…貴女は…―
「…なんだ?…」
―…幸せ…?―
少女の問いに微笑した。
「あっれ?
萌ちゃん
ココでどうしたの?」
後ろから柳に呼ばれ
振りかえる。
「お前たちこそ
どうしたんだ?」
その場にいたのは柳だけではなく、
紫苑や朽葉もいたのだ。
「え?
オレは桃花姫様が桜の木の女の子に逢いたいって
言うから…」
「オレは購買ん帰りにリュウに会ったさかいそのまま
ついて来たんや」
「俺は部室へ
行こうとしたら2人に
会いまして…」
3人の言葉に
萌黄は苦笑した。
「なんや、昨夜んコトが
嘘見たいやな」
その言葉に皆、
昨夜のコトを思い出した。
「そういえば、リュウ、
行方不明の生徒の方々はどうしましたか?」
「桃花姫様に魔を払って貰ったあと、朔夜に記憶操作して貰ったから
今日は普段通り
生活してるよ」