ガシッ! 「え?」 腕をつかまれ、 あたしは足を止めた。 「ヨウくん…?」 気づけばあたしは 小さなレストランの 近くにいた。 いいにおいがただよってくる…。 …お腹すいたなぁ。 こんな時にも関わらず、 あたしはそんなことを 考えていた。 ぎゅっ ヨウくんがあたしを だきしめた。 「大丈夫…。 大丈夫だよ、来夢…」 そういうヨウくんの 声は震えていて、 あたしはヨウくんの 腕の中で泣いていた。