届かない、スキ

掃除が終わってやっとみんな帰った頃、「プラスチック」と書かれた透明の袋に、可愛い包みを何個も背負った優太がやってきた。



「うぁー…荷物、すごいね。」


それを前にすると、あたしのチョコは存在感が薄くなった気がした。


「帰ろっか!」


そんな小さな不安を吹っ飛ばしてくれる優太の笑顔に、またキュン死にしそうになった。



南門から帰ると女子がうるさいから、

と、裏門から帰ることにした。


「荷物…片方持つよ?」

「いーよいーよ!もーちょっとで消えるからっ!」


消えるって…


手品じゃないんだから、そんな大荷物消えるわけないじゃーん。


と、いつものあたしだったら突っ込むところだったけど


今日はさすがに無理…。