しばらく田崎先輩の練習が終わるまで待っていた。 体育館は室内だけど真冬の厳しさにはかなわなく、段々凍り付く感覚になってきた。 それは莉子も同じで、 「準備室入っちゃえ。」 と言って私の手を引いて体育準備室に無理やり入った。 準備室は暖房が効いていて凍える体を癒やすのに最適だった。 辺りを見回すと誰もいない。 私は先生の机に目を向けた。 いつも置いてあるコーヒーの飲みかけが入ったマグカップ。 教科書や沢山の書類が無造作に置いてあって先生の机は乱れている。 そんなとこもくすぐられる。