恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~




「先生」は私に近づき


「良かったー。さっき無い事に気が付いたんだ。」


ホッとした表情に私も安堵した。



「・・・私も良かったです。」




その束の間

とんでもないことに気が付いた。




私、私服だ!

しかもさっき「先生」って呼んじゃったし!!



急にとても恥ずかしくなった。


昨日までは他人のフリしてたのに「先生」と呼んでしまった事に後悔した。


生徒であった事がバレてしまったのではないだろうか。



そんな気持ちになり

強引に「先生」にギターを渡し



「それでは失礼します!」


と一礼し背を向け歩き始めた。