今日は卒業式。 私達は三年生が来るのを椅子に座って待っている。 吹奏楽が演奏すると共に三年生が入場してきた。 皆が拍手をする。 私は惇先輩を見つけると、急に鼓動が速くなってきた。 (卒業、おめでとうございます。) 私は心の中で呟いた。 『野々村 惇』 先生に名前を呼ばれて、 「はい。」 意外と大きい声で返事をしていた。 私は目を離さずにずっと見つめていた。 ハッ! …ん?気にせいだよね。 …目が合ったような気がした。 気の…せいだ…。 と思いながらもドキドキしている私。