ぼくのちいさい頃の記憶は、 少しまわりが明るく見えて、 「カワイイ」 の声だった。 はじめてのかいぬしは、 オーエルさんだった。 「カワイイ〜」 ばっかり言っていたけど、 きせつが変わる前に あきたらしい。 放っとかれることが多くなって、 ある日、でんわで、 「なんかね、飽きたぁ」 って言ってた。 ぼく、ことばわかるのにさ。