「矢口さぁ」
「え?」
朝、久しぶりに学校へ行く。
朝の少し湿った風が、
腫れた目を痛ませる。
「..どう考えてんの?」
陸が真面目な表情で聞いてくる。
「え?」
陸と歩幅を合わせる。
「兄貴」
「....。」
地面を見て、
黙り込む。
「なんも、思わねぇのか?」
陸と、もう一ヶ月も会ってないんだ。
陸の話によると、
陸戸は毎日病院に泊まり、
氷奈のこと、
見守ってるらしいんだ。
病院に行ってみたいけど、
怖くて、
まだ一回も行った事がないんだ。
モデルの仕事も、
もう一ヶ月も休んでる。
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