王子様の、花嫁探し。




くそ。
なんでそんな嬉しそうなツラしてんねん。

むかつく。
なんでや。

俺だけ頭に入れとけや。




「なぁ」

「何」

「俺のこと、どう思ってる?」

ドキドキしとる?


「...別に」

なんでやん。

冷たい。



「俺、イヤ」

そう言って、
小さいあいつを胸元に寄せる。


耳が赤い。


なんや。
恥ずかしがってるやんか。

かわええ。


「ほかの男と喋るな」

「え?」

「イヤやねん」

一人占めしたいねん。
お前を。


ほかの人に見せたくないねん。
渡したくないねん。



「俺、独占欲強いから」

「..な、何言ってるの」

やわらかい頬っぺたを押さえ、


「俺以外の男と誰とも喋るな。
 メールすんな。
 一緒に居るな。
 電話もすんな。

 目も合わせちゃアカン。

 頭の中へ叩き込んでおけ」

「...。」

びっくりしてる。