王子様の、花嫁探し。






だけど、


いつまでたっても、

顔に叩かれる感触がなかった。




顔を上げて、氷奈を見ると、



「....陸戸...」



氷奈の手を止めてる陸戸が居た。






「何すんのよっ」


氷奈は陸戸を睨んでる。




「俺の女を傷つける奴は、
 

 ゆるさへんわ」



小さい声で喋りばがら、
氷奈を睨み返す陸戸。





声は小さいけど、


でも迫力があるその声に、


ちょっとびっくりした。






「なんであたしじゃないのよっ!!


 なんでよっ!!!」




目に沢山の涙が溜まってる氷奈。





「...ごめん、氷奈」



あたしはそう言うしかなかった。