飛行機を降り、 新幹線二時間。 そして 電車にゆれるごと一時間。 たどり着いた、 小さな駅のホーム。 視野いっぱいに広がる 田んぼと山。 蝉の音で、 真夏だということを 改めて知らされる。 10年前と、 ちっとも変わっていない この景色。 心から何か 暖かいものがこみ上げる。 「懐かしい...」 隣に居る陸戸を見た。 「うん。そうだね」 陸戸も この景色に浸かってる。 「綺麗だよ。 あたし、好きだ」 都会より、 あたしは田舎の方が好き。